経営状態がわからない点でしょう。
何年か前に、大手の民間身元保証法人が破綻し、財産を預けていた多くの高齢者が泣き寝入り状態になったのは、記憶に新しいところです。
信頼して虎の子の資産を預けた法人が倒産してしまえば、せっかく立てた老後のプランが崩れてしまいます。
一番の問題点は、民間会社にはチェック機能が働かない点です。
そのため、後見制度の利用を強く勧めます。
家庭裁判所が後見人業務をチェックする機能がありますので、信頼感があります。
費用が掛かる、親族が自由に財産を扱えなくなるなどで利用を躊躇うケースが多いですが、その分、きちんと家庭裁判所や専門職が関与します。
財産運用の自由度を担保したい場合は、後見制度と信託制度の併用を検討されるとよいでしょう。
また、信託銀行を使えれば、信頼感もあります。
もっとも民事信託の場合は、信頼できる信託監督人、受益者代理人がいなければ、チェック機能が働きませんので身寄りがない方には不向きです。後見人が前者を担えるかどうかは、法解釈によって争いがあるところです。